尿路結石の治療法
尿路結石の治療法は、石の大きさや位置によって、各種の方法が使い分けられます。
尿路結石の治療は、1980年代以降しばらくの間は、腎臓でできた結石が尿管に落ちた際に専用の装置を使い体外から衝撃波を当てて石を砕くという方法(ESWL法)で行われるのが主流でした。
この方法は麻酔不要で入院の必要もなく患者への負担が少ないというメリットがありましたが、砕いた石が自然に出てくるのを待つ必要があるうえ、衝撃波が他の組織を傷つける可能性があるという問題点も指摘されていました。
最近では、TUL(軽尿道的尿管砕石術)という、尿道から内視鏡の付いた細い管を入れ、レーザーで石を砕き、その破片を回収する方法が広まりつつあります。
入院・麻酔の必要はあるものの、石を確実に取り除くことができる点が、この砕石術の優れた特長となっています。
また、石のサイズ大きい場合は、腰からカメラを腎臓に入れ、石を破壊して取り出すPNL(経皮的腎結石砕石術)が用いられます。
これらの砕石術でも結石が取り出せない場合は、開腹手術を行う必要があります。
海外では、現在自然排石を早める新薬が開発されつつあり、順調に行けば3年以内に日本国内に導入される見込みです。
激痛発作の際の痛みを和らげる手段としては、非ステロイド抗炎症剤(NSAID)がよく使用されます。
鎮痛と同時に尿管の浮腫や炎症反応を抑制する効果があるインダシンやボルタレンを座剤として5〜6時間ごとに投与します。
さらに、発作が治まり、痛みがある程度落ち着いた患者には、ブスコパンやコスパノンの筋肉・静脈注射も行われます。